コーヒーに入れると、まろやかなコクとほのかな甘みを加えられる森永乳業の「クリープ」。長く親しまれている商品ですが、インターネットでは「クリープは身体に悪い」「植物油脂や添加物が入っているのでは?」といった情報を見かけることがあります。
先に結論をお伝えすると、通常タイプのクリープは、適量を使う限り、身体に悪い食品とは言い切れません。
通常タイプの原材料は乳製品と乳糖で、原材料表示上、植物油脂や食品添加物は記載されていません。ただし、1杯分にもカロリーや脂質が含まれるため、コーヒーを1日に何杯も飲む人は使用量に注意が必要です。
さらに、乳成分を含む商品なので、牛乳アレルギーがある人には向きません。乳糖不耐症の人も、体質や摂取量によってはお腹の張りや腹痛、下痢などが起こる可能性があります。
この記事では、クリープが身体に悪いと言われる理由をはじめ、現在の原材料や栄養成分、添加物、トランス脂肪酸、太る可能性についてわかりやすく解説します。
・通常のクリープは乳製品と乳糖から作られている
・通常タイプの原材料表示には植物油脂や食品添加物の記載がない
・1杯3g当たり16kcal、脂質0.81g
・トランス脂肪酸が完全にゼロとは断定できない
・摂りすぎるとカロリーや脂質が積み重なる
・乳アレルギーがある人は使用を避ける
・クリープライトにはpH調整剤が使われている
クリープは身体に悪い?最初に結論を解説

通常タイプのクリープは、原材料や1回の使用量を見る限り、少量をコーヒーに入れただけで健康に大きな悪影響を与えるような食品ではありません。
森永乳業が販売する通常タイプのクリープは、乳製品と乳糖を原材料としています。メーカーは、クリープをミルクから生まれた成分を原料にしたクリーミングパウダーと説明しています。
一方で、「乳製品から作られているから、いくら使っても問題ない」というわけではありません。クリープにもカロリーや脂質があり、乳成分や乳糖が体質に合わない人もいます。
クリープが身体に悪いかどうかは、商品そのものだけでなく、使用量や体質、食生活全体を含めて考える必要があります。
通常タイプの原材料は乳製品と乳糖
通常タイプの「森永クリープ袋」に表示されている原材料は、次のとおりです。
乳製品、乳糖
※原材料の一部に乳成分を含みます。
原材料表示には、植物油脂、水あめ、香料、着色料、乳化剤などは記載されていません。
ただし、「牛乳をそのまま乾燥させただけの商品」と説明するのも正確ではありません。乳製品と乳糖を使用し、コーヒーに溶けやすく、風味やコクを加えられるように作られたクリーミングパウダーです。
1杯3g当たりの栄養成分
通常タイプのクリープをスプーン1杯、約3g使用した場合の栄養成分は次のとおりです。
| 栄養成分 | スプーン1杯3g当たり |
|---|---|
| エネルギー | 16kcal |
| たんぱく質 | 0.23g |
| 脂質 | 0.81g |
| 炭水化物 | 1.83g |
| 食塩相当量 | 0.03g |
| カルシウム | 2.6mg |
1杯分だけで見れば、カロリーや脂質はそれほど多くありません。しかし、使用回数が増えれば、その分だけ摂取量も増えていきます。
「身体に悪い」と言われるのは他の商品との混同も原因
クリープが身体に悪いと言われる理由の一つとして、粉末クリーミングパウダーや液体コーヒーフレッシュが、すべて同じものだと思われていることが挙げられます。
コーヒーを白く、まろやかにする商品には、乳製品を中心に作られたものだけでなく、植物油脂を中心に作られたものもあります。
植物油脂を使用しているから、ただちに身体に悪いというわけではありません。ただし、原材料や栄養成分は商品ごとに異なるため、別の商品に関する情報をそのままクリープへ当てはめることはできません。
「クリーミングパウダーだから植物油脂が主原料だろう」と思っている人もいますが、通常タイプのクリープの原材料表示には植物油脂は記載されていません。
クリープが身体に悪いと言われる4つの理由

クリープについて不安を感じる人が特に気にしているのは、カロリーや脂質、トランス脂肪酸、添加物などです。
それぞれについて、必要以上に怖がる必要はありませんが、誤解しやすい部分もあります。
カロリーや脂質の摂りすぎが気になる
通常タイプのクリープは、1杯3g当たり16kcal、脂質0.81gです。
コーヒー1杯だけであれば少量ですが、使用する回数によって1日の摂取量は変わります。
| 1日の使用回数 | エネルギー | 脂質 |
|---|---|---|
| 1杯 | 16kcal | 0.81g |
| 2杯 | 32kcal | 1.62g |
| 3杯 | 48kcal | 2.43g |
| 5杯 | 80kcal | 4.05g |
1日に5杯使用すると、クリープだけで80kcal、脂質4.05gになります。さらに砂糖やシロップ、お菓子などを一緒に取れば、コーヒータイム全体の摂取カロリーは高くなります。
クリープだけが体重増加の原因になるとは限りませんが、毎日何杯も使っている場合は、量を一度確認してみるとよいでしょう。
乳糖が入っているため糖質が心配
クリープには乳糖が原材料として使用されています。乳糖とは、牛乳や乳製品に含まれる糖の一種です。
通常タイプは1杯3g当たり炭水化物を1.83g含んでいます。ただし、この数値は炭水化物の量であり、表示されている数字のすべてを砂糖と考えるのは正しくありません。
糖質や炭水化物の摂取量を細かく管理している人は、コーヒーの杯数と使用量を記録しておくと把握しやすくなります。
トランス脂肪酸が入っていると思われている
トランス脂肪酸には、油脂を加工・精製する工程でできるものと、牛乳や乳製品などに天然に含まれるものがあります。
通常タイプのクリープには、原材料表示上、植物油脂は記載されていません。そのため、植物油脂を主原料とするクリーミングパウダーと同じ理由でトランス脂肪酸を心配する必要はありません。
もっとも、牛乳や乳製品にも天然由来のトランス脂肪酸が微量に含まれることがあります。また、森永乳業の商品ページでは、クリープに含まれるトランス脂肪酸の具体的な数値は表示されていません。
このため、「クリープのトランス脂肪酸は完全にゼロ」と断定するのではなく、植物油脂を使用した商品とは原材料が異なる、と理解するのが適切です。
食品添加物が多いと思われている
通常タイプのクリープの原材料表示には、食品添加物の記載がありません。
その一方で、脂肪分を抑えた「クリープライト」には、pH調整剤が使用されています。通常タイプとライトタイプでは原材料が異なるため、クリープというブランドの商品をすべてまとめて「添加物不使用」と説明するのは正確ではありません。
なお、食品添加物は、安全性の評価や使用基準に基づいて使用されています。pH調整剤が含まれているという理由だけで、クリープライトが危険な商品になるわけではありません。
添加物をできるだけ避けたい人は通常タイプを、脂質を抑えたい人はライトタイプを選ぶなど、何を重視するかで使い分けるとよいでしょう。
クリープの通常タイプとライト・牛乳の違い

クリープには通常タイプのほか、脂肪分を抑えたクリープライトがあります。また、コーヒーに牛乳やスキムミルク、豆乳などを入れる人もいるでしょう。
それぞれ味や原材料、保存方法が異なるため、単純にどれが最も健康的とは決められません。
通常タイプとクリープライトの違い
通常タイプとライトタイプの主な違いは次のとおりです。
| 比較項目 | 通常のクリープ | クリープライト |
|---|---|---|
| 主な原材料 | 乳製品、乳糖 | 乳製品、乳糖 |
| 食品添加物 | 原材料表示に記載なし | pH調整剤 |
| エネルギー | 16kcal | 13kcal |
| 脂質 | 0.81g | 0.38g |
| たんぱく質 | 0.23g | 0.54g |
| カルシウム | 2.6mg | 16mg |
※いずれもスプーン1杯3g当たりです。
クリープライトは、通常タイプと比べて脂肪分が50%カットされています。カロリー差は1杯当たり3kcalですが、脂質は通常タイプの半分以下です。
脂質を抑えたい場合にはライトタイプが選択肢になります。一方、原材料表示のシンプルさを重視する場合は、通常タイプの方が選びやすいでしょう。
クリープと牛乳は同じものではない
クリープはミルクから生まれた成分を原料にしていますが、牛乳そのものではありません。
牛乳には多くの水分が含まれており、コーヒーに入れると温度が下がり、味が薄く感じられることがあります。クリープは粉末なので、コーヒーを大きく薄めずにコクを加えられることが特徴です。
また、粉末のクリープと液体の牛乳では水分量が大きく異なります。そのため、同じ3gや100gでカロリーを比べても、実際の使用場面に合った比較にはなりません。
普段コーヒーに入れている量を基準にして比べることが大切です。
スキムミルクや植物性ミルクも選択肢
脂質を抑えたい場合は、スキムミルクを使用する方法もあります。スキムミルクは牛乳から脂肪分を取り除いて粉末にした食品で、クリープとは味や溶け方が異なります。
豆乳、アーモンドミルク、オーツミルクなどの植物性飲料も選択肢になります。ただし、商品によって砂糖、植物油脂、香料、安定剤などの有無が異なります。
「植物性だから必ず低カロリー」「添加物が入っていない」とは限らないため、パッケージの原材料と栄養成分を確認して選びましょう。
クリープを使うときに注意したい人

クリープは多くの人が利用できる食品ですが、体質や健康状態によっては注意が必要です。
特に乳アレルギーと乳糖不耐症は混同されやすいものの、原因や対応が異なります。
牛乳・乳成分のアレルギーがある人
クリープには乳成分が含まれています。
医療機関で牛乳アレルギーや乳成分のアレルギーと診断されている人は、自己判断で使用しないようにしてください。少量であってもアレルギー症状が出る可能性があります。
なお、「乳化剤」という名称に乳の文字が入っていても、必ずしも乳成分とは限りません。反対に、見た目がミルクのように見えない食品にも乳成分が含まれる場合があります。
アレルギーがある人は、商品名や見た目ではなく、パッケージのアレルゲン表示を確認することが大切です。
乳糖不耐症の人
乳糖不耐症は、乳糖を十分に消化できず、牛乳や乳製品を取った後に腹痛、下痢、お腹の張りなどが起こる状態です。
クリープには乳糖が使われていますが、症状が出る量には個人差があります。乳糖不耐症だからといって、すべての人がクリープを完全に避けなければならないとは限りません。
少量でも症状が出る場合や、原因がわからない腹痛や下痢を繰り返す場合は、使用を控えて医療機関へ相談してください。
乳アレルギーと乳糖不耐症は別のものなので、同じ対応をしないように注意しましょう。
脂質やカロリーの制限を受けている人
健康診断や医療機関で、脂質や摂取カロリーについて指導を受けている人は、クリープだけでなく食生活全体を確認する必要があります。
通常タイプの脂質は1杯当たり0.81gです。1杯では少量でも、毎日5杯使えば4.05gになります。
摂取量を正確に管理したい場合は、目分量で何杯も入れるのではなく、付属のスプーンやスティックタイプを利用すると量を把握しやすくなります。
クリープを安心して楽しむための使い方
クリープには、医薬品のような明確な1日の摂取上限が設定されているわけではありません。
そのため、「1日何杯までなら絶対に安全」と一律に決めることはできませんが、1回3gを目安として、コーヒーを飲む回数や食生活に合わせて調整できます。
まずは1杯3gを目安にする
通常タイプの栄養成分は、スプーン1杯3gを基準に表示されています。
濃厚な味にしたいからと一度に何杯分も入れると、カロリーや脂質も比例して増えます。まずは3gから試し、必要に応じて量を調整するとよいでしょう。
使用量を減らしても物足りない場合は、コーヒー自体を少し薄めに入れる方法もあります。
目的に合った商品を選ぶ
通常タイプとライトタイプには、それぞれ異なる特徴があります。
濃厚なコクを重視する:通常タイプ
原材料表示のシンプルさを重視する:通常タイプ
脂質を抑えたい:クリープライト
使用量を毎回そろえたい:スティックタイプ
乳成分のアレルギーがある:クリープは避ける
乳糖でお腹の調子が悪くなる:使用量を見直すか、乳糖を含まない代替品を検討する
カロリーだけを見ると通常タイプとライトタイプの差は小さいものの、脂質には比較的大きな差があります。
開封後は冷蔵庫に入れない
粉末の乳製品なので、開封後は冷蔵庫に入れた方がよいと思う人もいるかもしれません。
しかし、メーカーはクリープを冷蔵庫で保存することを勧めていません。冷蔵庫から出したときの温度差によって湿気を吸い、粉末が固まることがあるためです。
開封後は、直射日光や高温多湿を避け、乾燥した冷暗所で常温保存します。使用するときは乾いた清潔なスプーンを使い、袋のチャックをしっかり閉めましょう。
メーカーでは、開封後1カ月を目安に使い切るよう案内しています。
クリープに関するよくある疑問
クリープは植物油脂から作られていますか?
通常タイプのクリープの原材料表示には、植物油脂は記載されていません。原材料は乳製品と乳糖です。
ただし、クリーミングパウダーや液体コーヒーフレッシュには植物油脂を使用した商品もあります。商品名ではなく、購入時の原材料表示を確認してください。
クリープは添加物だらけですか?
通常タイプの原材料表示には、食品添加物の記載がありません。
一方、クリープライトにはpH調整剤が使われています。そのため、クリープの全商品が添加物不使用というわけではありません。
クリープにはトランス脂肪酸が入っていますか?
森永乳業の商品ページでは、トランス脂肪酸の具体的な含有量は表示されていません。
通常タイプには植物油脂が原材料として記載されていませんが、牛乳や乳製品にも天然由来のトランス脂肪酸が微量に含まれることがあります。そのため、完全にゼロとは断定できません。
クリープを毎日使うと太りますか?
クリープを毎日使っただけで、必ず太るわけではありません。
体重は、食事や飲み物から取るエネルギーと、日常生活や運動で消費するエネルギーのバランスなどに左右されます。
ただし、通常タイプは1杯当たり16kcalです。1日5杯なら80kcalになるため、使用回数が多い人は積み重ねに注意しましょう。
クリープは牛乳の代わりになりますか?
コーヒーや料理にコクを加える目的では、牛乳の代わりに使用できる場合があります。
ただし、クリープと牛乳では水分量や栄養成分が異なります。飲用する牛乳と同じ栄養を取れる食品ではないため、完全な代用品とは考えない方がよいでしょう。
【まとめ】クリープは身体に悪いとは言い切れない

森永乳業の通常タイプのクリープは、乳製品と乳糖を原材料にしたクリーミングパウダーです。原材料表示には、植物油脂や食品添加物は記載されていません。
そのため、通常の範囲で適量を使う限り、クリープは身体に悪い食品とは言い切れません。
ただし、1杯3g当たり16kcal、脂質0.81gを含みます。1日に何杯も使用すれば、カロリーや脂質の摂取量が増える点には注意が必要です。
また、乳成分を含むため、牛乳アレルギーがある人には適していません。乳糖不耐症の人も、体質や使用量によってはお腹の不調が起こる可能性があります。
なお、脂肪分を抑えたクリープライトにはpH調整剤が使われています。「通常タイプは原材料表示がシンプル」「ライトは脂質が少ない」という違いを理解して、自分が重視する点に合った商品を選びましょう。
不安をあおる情報だけで判断するのではなく、パッケージに書かれた原材料と栄養成分を確認し、使用量を意識することが大切です。

